ツメブ石 Tsumebite

ツメブ石 Tsumebite Tsu 

Pb2Cu(PO4)(SO4)(OH);単斜晶系 (ブラッケブッシュ石グループ) 

IMAステータス:"Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種) 

模式地:ナミビア,オシコト州,ツメブ,ツメブ鉱山 

模式標本:戦災で消失したらしい. 

鉱物名:産地 (Tsumeb) にちなむ. 

原記載:

  • Busz, K. (1912) Tsumebit, ein neues Mineral von Otavi und Zinnsteinkristalle. Deutschen Naturforscher und Årtze in Münster, Versammlung, 84, 230-230 (IMA第一文献).

秋田県大仙市 亀山盛鉱山 (Kisamori mine, Daisen, Akita Prefecture).バウチャー標本 (Ohnishi and Shimobayashi, 2011).FOV ~1.5 mm.



秋田県大仙市 亀山盛鉱山 (Kisamori mine, Daisen, Akita Prefecture).バウチャー標本 (Ohnishi and Shimobayashi, 2011).FOV ~8.3 mm. 

 ナミビアにある世界的に著名な大鉱山の名前を冠した鉱物である.日本では亀山盛鉱山から最初に記載された.

 黄緑色六角柱状の緑鉛鉱に伴う青緑色半球状集合体がツメブ石である.共存する緑鉛鉱は,端成分組成を持っている.


文献 

  1. 大西政之・下林典正 (2009) 秋田県大仙市亀山盛鉱山産ツメブ石.日本鉱物科学会年会講演要旨,R4-09.https://doi.org/10.14824/jakoka.2009.0.100.0
  2. Ohnishi, M. & Shimobayashi, N. (2011) Tsumebite from the Kisamori mine, Akita Prefecture, Japan. Journal of Mineralogical and  Petrological Sciences, 106, 51-56. https://doi.org/10.2465/jmps.090904

Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.