コルヌビア石 Cornubite

コルヌビア石 Cornubite 

Cu5(AsO4)2(OH)4;三斜晶系 

模式地: 

模式標本: 

鉱物名: 

原記載: 


 Cu5(AsO4)2(OH)4の理想式をもつ鉱物は2種知られている.一つは単斜晶系のコーンウォール石,もう一つは三斜晶系のコルヌビア石である.コルヌビアとは英国コーンウォールの中世ラテン名である.どちらもヒ素を含む銅鉱床のいわゆる酸化帯から産出するが,コルヌビア石の方が比較的産出は希である.外観はどちらも緑色ではあるが,濃緑色のコーンウォール石に対してコルヌビア石は黄色味を帯びることが多いようである.



奈良県御所市 三盛鉱山 (Sansei mine, Gose, Nara Prefecture).FOV ~1.1 mm.



奈良県御所市 三盛鉱山 (Sansei mine, Gose, Nara Prefecture).FOV ~1.3 mm. 

 写真の標本を最初に認めたときはリンドグレン石かと思ったが,どこかおかしいので粉末X線回折とSEM-EDSによる定性分析を行ったところ,コルヌビア石であることが判明した.



文献 

  1. 大堀晋司・小林暉子 (1996) 奈良県三盛鉱山・竜神鉱山の二次鉱物について.地学研究,44,223-232.


Rare Mineral Research

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.