水亜鉛銅鉱 Aurichalcite Ach
(Zn,Cu)5(CO3)2(OH)6;単斜晶系
IMAステータス:"Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種)
鉱物名:金色の銅または真鍮を意味するといわれる古語 “オリハルコン” (アウリカルクム,Aurichalcum) にちなみ,本鉱物が真鍮の成分である銅と亜鉛を含むことによる.
模式地:ロシア,アルタイ地方,Upper Loktevka川,Loktevskoye鉱山
模式標本:英国・ロンドン自然史博物館 (31118)
原記載:T. ベトガー
- Böttger, T. (1839) Chemische Untersuchung des Aurichalcits, eines neuen Kupfererzes vom Altai. Annalen der Physik und Chemie, 48, 495 (IMA第一文献).
静岡県下田市 河津鉱山 (Kawazu mine, Shimoda, Shizuoka Prefecture).FOV ~8.0 mm.
大阪府箕面市 川浦鉱山 (Kawaura mine, Minoh, Osaka Prefecture).FOV ~3.1 mm.
兵庫県川辺郡猪名川町 屏風岩鉱山 (Byobuiwa mine, Inagawa, Hyogo Prefecture).FOV ~2.7 mm.
屏風岩鉱山は多田鉱山近傍に位置しており,中生代白亜紀の有馬層群に属する堆積岩中の小規模な熱水性鉱脈鉱床である.鉱石鉱物は黄銅鉱を主とし,斑銅鉱,黄鉄鉱,方鉛鉱,閃亜鉛鉱を伴う (豊・松浦,1995).
水亜鉛銅鉱は,異極鉱 (無色透明),黄銅鉱 (黄銅色),閃亜鉛鉱 (黒色) を伴い,淡青色の板状結晶の集合体をなして少量産出する.
奈良県五條市 戸運保鉱山 (Tombo mine, Gojyo, Nara Prefecture).FOV ~5.0 mm.
文献
- Giester, G. & Rieck, B. (2014) Crystal structure refinement of aurichalcite, (Cu,Zn)5(CO3)2(OH)6, from the Lavrion Mining District, Greece. Neues Jahrbuch für Mineralogie, Abhandlungen, 191, 225-232 (IMA第二文献).
- 豊 遙秋・松浦浩之 (1995) 応用地質.広根地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の1地質図幅).地質調査所,93-97.
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