ケティッヒ石 Köttigite

ケティッヒ石 Köttigite 

Zn3(AsO4)2·8H2O;単斜晶系 (藍鉄鉱グループ) 

模式地: 

模式標本: 

鉱物名: 

原記載: 


 ケティッヒ石は藍鉄鉱グループの鉱物で,亜砒藍鉄鉱,ニッケル華,コバルト華のそれぞれ亜鉛置換体に相当する.外観は新鮮な亜砒藍鉄鉱に似ているが,それよりもやや青色味がかっており,また経年によりほとんど変色しない.



岡山県新見市 扇平鉱山 (Ogibira mine, Niimi, Okayama Prefecture).FOV ~7.0 mm.

 日本で発見されてから30年以上経つが,扇平鉱山がいまだに唯一の産地である.この標本は発見当時のもので,レグランド石,褐鉄鉱を伴う.



文献

  1. Kusachi, I., Henmi, C. and Kishi, S. (1986) Legrandite and koettigite from the Ogibira mine, Okayama, Japan. Mineralogical Journal, 13, 141-150. https://doi.org/10.2465/minerj.13.141


Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.