【日本産新鉱物】 轟石 Todorokite

轟石 Todorokite Tdr 

(Na,Ca,K,Ba,Sr)1-x(Mn,Mg,Al)6O12·3-4H2O;単斜晶系 

IMAステータス:"Special procedure" (再定義・鉱物名変更が行われ,IMAに承認された有効な種) 

鉱物名:産地 (轟鉱山) にちなむ. 

模式地:北海道余市郡赤井川村 轟鉱山 

模式標本:宮島 (2001) によると,米国・ハーバード大学 (106214);米国・国立自然史博物館科学博物館である.

原記載:吉村豊文 (北海道帝国大学) 

  • Yoshimura, T. (1934) "Todorokite," a New Manganese Mineral from the Todoroki Mine, Hokkaido, Japan. Journal of the Faculty of Science, Hokkaido Imperial University. Ser. 4, Geology and mineralogy, 2, 289-298. http://hdl.handle.net/2115/35756 (IMA第一文献) 

北海道 (後志総合振興局) 余市郡赤井川村 轟鉱山;模式地 (Todoroki mine, Akaigawa, Hokkaido; Type locality).FOV ~4.6 mm.


京都府南丹市 船岡鉱山 (Funaoka mine, Nantan, Kyoto Prefecture).FOV ~9.3 mm.

 黒鉱鉱床のいわゆる酸化帯に,褐鉄鉱に伴って産出する.


文献

  1. 松尾源一郎,藤原 卓 (1978) 京都府船井郡園部町船岡鉱山の鉱床と鉱物.京都地学会会誌,創立30周年記念号,66-88.
  2. 宮島 宏 (2001) 日本の新鉱物 1934-2000 (松原 聰監修).pp. 124,フォッサマグナミュージアム,糸魚川市教育委員会.


Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.