手稲石 Teineite Tei
Cu2+(Te4+O3)·2H2O;直方晶系
IMAステータス:"Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種)
鉱物名:産地 (手稲鉱山) にちなむ.
模式地:北海道札幌市手稲区 手稲鉱山
模式標本:北海道大学.ただし,Handbook of Mineralogyには米国・ハーバード大学 (94749) もあげられている.
原記載:吉村豊文 (北海道帝国大学)
- 吉村豊文 (1936) 手稻礦山産新礦物手稻石 (Teineite) に就て.岩石礦物礦床學,16,225-234.https://doi.org/10.2465/ganko1929.16.225
注) IMA-CNMNCは次のYoshimura (1939) を第一文献としているが,吉村 (1936) の方が発表年が早い.
- Yoshimura, T. (1939) Teineite, a New Tellurate Mineral from the Teine Mine, Hokkaidō, Japan. Journal of the Faculty of Science, Hokkaido Imperial University, Ser. 4, Geology and mineralogy, 4, 465-470. https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/35801 (IMA第一文献)
和歌山県岩出市山崎産 (Yamazaki, Iwade, Wakayama Prefecture).FOV ~9 mm.
山崎の手稲石は,三波川帯の緑色片岩に伴われる石英およびその周囲に皮膜状または柱状結晶の集合体をなして産出する.日本では北海道手稲鉱山,静岡県河津鉱山に次ぐ第3の産地であるが,結晶片岩中からの産出という特異な産状のため,発表時に大きな話題となった.テルルの起源はリッカルド鉱様鉱物であると考えられている.
文献
- Effenberger, H. (1977) Verfeinerung der kristallstruktur von synthetischem teineit CuTeO3·2H2O. Tschermaks Mineralogische und Petrographische Mitteilungen, 24, 287-298 (IMA第二文献).
- 藤原 卓,岸野正直,小原正顕,松原 聰,宮脇律郎 (2002) 和歌山県、三波川変成岩中の手稲石ほかテルル鉱物.日本鉱物学会年会講演要旨,34.https://doi.org/10.14824/kobutsu.2002.0.34.0
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