【日本産新鉱物】 尾去沢石 Osarizawaite

尾去沢石 Osarizawaite Orz 

Pb(Al2Cu2+)(SO4)2(OH)6;三方晶系 (明礬石スーパーグループ) 

IMAステータス:"Redefined" (IMAが設立された1958年以降に再定義された有効な種) 

鉱物名:産地 (尾去沢鉱山) にちなむ. 

模式地:秋田県鹿角市 尾去沢鉱山 正徳6b-2𨫤上部第二レベルおよび卯酉2𨫤上部第三レベル 

模式標本:原記載には書かれていないが,Handbook of Mineralogyには国立科学博物館 (M-15598) とある. 

原記載:田口靖郎 (三菱金属鉱業) 

  • Taguchi, Y. (1961) On osarizawaite, a new mineral of the alunite group, from the Osarizawa mine, Japan. Mineralogical Journal, 3, 181-194. https://doi.org/10.2465/minerj1953.3.181 (IMA第一文献) 

秋田県鹿角市 尾去沢鉱山;模式地 (Osarizawa mine, Kazuno, Akita Prefecture; Type locality).FOV ~29 mm.

 方鉛鉱とそれが酸化した硫酸鉛鉱からなるノジュールの表面を被う黄緑色の粉末が尾去沢石.よく “抹茶の粉” と形容される.


秋田県大仙市 亀山盛鉱山 (Kisamori mine, Daisen, Akita Prefecture).FOV ~9.0 mm.


文献

  1. Giuseppetti, G. & Tadini, C. (1980) The crystal structure of osarizawaite. Neues Jahrbuch für Mineralogie, Monatshefte, 1980, 401-407 (IMA第二文献).
  2. 松原 聡,千葉とき子,加藤 昭,松山文彦 (1997) 北海道小別沢鉱山および秋田県亀山盛鉱山産hinsdalite.日本鉱物学会年会講演要旨集,159.


Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.