褐錫鉱 Stannoidite IMA1968-004a Sta
Cu8(Fe,Zn)3Sn2S12;直方晶系 (黄錫鉱グループ)
IMAステータス:"Approved" (IMAが設立された1958年以降に承認された有効な種)
鉱物名:黄錫鉱 (stannite) との関連にちなむ.
模式地:岡山県美作市 金生鉱山
模式標本:
原記載:加藤 昭 (国立科学博物館)
- Kato, A. (1969) Stannoidite, Cu5(Fe,Zn)2SnS8, a new stannite-like mineral from the Konjo mine, Okayama Prefecture, Japan. Bulletin of the National Science Museum, 12, 165-172 (IMA第一文献).
切断研磨面.石英中に黄褐色の塊状をなす.顕微鏡的な大きさのモースン鉱,錫石を伴っている.
金生鉱山の褐錫鉱は,Kato (1969) によって記載されてから標本の現存数の少ない “幻の鉱物” といわれていたが,2000年代に地元岡山県の田邊満雄氏のフィールドワークによって産出が再確認された.本標本はその時の記念すべきもの.反射顕微鏡観察,SEM-EDSによって同定した.
石英中に黄褐色の塊状をなしている.新鮮な断面.黄銅鉱,モースン鉱を伴っている.
兵庫県朝来市 生野鉱山 (Ikuno mine, Asago, Hyogo Prefecture).FOV ~8.0 mm.
石英中に黄褐色の塊状をなしている.これも比較的新鮮な断面.黄銅鉱を伴う.
黄褐色の塊状だが,表面は錆びてくすんでいる.黄銅鉱のほかに,顕微鏡的な大きさのモースン鉱,錫石を伴っている.反射顕微鏡観察,SEM-EDSによって同定した.
文献
- Kato, A. & Fujiki, Y. (1969) The occurrence of stannoidites from the xenothermal ore deposits of the Akenobe, Ikuno, and Tada Mines, Hyogo Prefecture, and the Fukoku Mine, Kyoto Prefecture, Japan. Mineralogical Journal, 5, 417-433. https://doi.org/10.2465/minerj1953.5.417
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