【日本産新鉱物】 益富雲母 Masutomilite

益富雲母 Masutomilite IMA1974-046 Msu 

KLiAlMn2+(Si3Al)O10(F,OH)2;単斜晶系 (雲母グループ) 

IMAステータス:"Approved" (IMAが設立された1958年以降に承認された有効な種) 

鉱物名:日本砿物趣味の会およびその後身の日本地学研究会の代表であった鉱物学者・薬学者の益富壽之助博士 (1901-1993) にちなむ (日本の鉱物への貢献). 

模式地:滋賀県大津市 田上山 (たなかみやま) 

模式標本:金沢大学 (Harada et al., 1976) 

原記載:長島弘三 (東京教育大学),原田一雄,本田真理子 (化学品検査協会) 

  • 長島弘三,原田一雄,本田真理子 (1975) 滋賀県大津市田ノ上山産新鉱物益富雲母 (Masutomilite).地学研究,26,319-324. 
  • Harada, K., Honda, M., Nagashima, K. & Kanisawa, S. (1976) Masutomilite, manganese analogue of zinnwaldite, with special reference to masutomilite-lepidolite-zinnwaldite series. Mineralogical Journal, 8, 95-109. https://doi.org/10.2465/minerj.8.95 (IMA第一文献)



滋賀県大津市 国見岳 (Kunimidake, Otsu, Shiga Prefecture).FOV ~16 mm.

 花崗岩ペグマタイトから産出する.



文献

  1. 原田一雄・本田真理子・長島弘三・蟹沢聰史 (1975) 滋賀県田の上山・岐阜県田原産新鉱物 “益富雲母”.日本鉱物学会年会講演要旨集,7.
  2. Mizota, T., Kato, T. & Harada, K. (1986) The crystal structure of masutomilite, Mn analog of zinnwaldite. Mineralogical Journal, 13, 13-21 (IMA第二文献).


Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.