硫カドミウム鉱 Greenockite.

硫カドミウム鉱 Greenockite Gnk 

CdS;六方晶系 (ウルツ鉱グループ) 

IMAステータス:"Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種) 

鉱物名:英国陸軍の将軍であったグリーノック卿 (Charles Murray Cathcart;1783-1859) による. 

模式地:英国,スコットランド,レンフルーシャー,Bishopton 

模式標本:不明 

原記載:J. ブルック,A. コンネル 

  • Connell, A. (1840) On Sulphuret of Cadmium, or Greenockite, a new Mineral. Earth and Environmental Science Transactions of The Royal Society of Edinburgh, 14, 619-623. https://doi.org/10.1017/S008045680002175X (IMA第一文献)

兵庫県川西市 金岩鉱山 Kanaiwa mine, Kawanishi, Hyogo Prefecture FOV ~4.7 mm.

 黄色の顔料,カドミウムイエローと同一物質.これは古い標本で,産地はすでに造成により跡形もなく消滅している.


文献

  1. 伊藤貞市・櫻井欽一 (1947) 日本鉱物誌 (第三版上巻), 中文館書店, p.72.
  2. Sowa, H. (2005) On the mechanism of the pressure-induced wurtzite- to NaCl-type phase transition in CdS: an X-ray diffraction study. Solid State Sciences, 7, 73-78. https://doi.org/10.1016/j.solidstatesciences.2004.10.011 (IMA第二文献)

Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.