【日本産新鉱物】 宮久石 Miyahisaite

宮久石 Miyahisaite IMA2011-043 Miy 

Sr2Ba3(PO4)3F;六方晶系 (燐灰石スーパーグループ > ヘディフェングループ) 

IMAステータス:"Approved" (IMAが設立された1958年以降に承認された有効な種) 

鉱物名:愛媛大学理学部教授であった鉱床学者・鉱物学者の宮久三千年 (道年) 博士 (1928-1983) にちなむ (九州のおびただしい鉱床の調査を通じて鉱物学・岩石学・鉱床学の進歩に貢献したことによる). 

模式地:大分県佐伯市 下払鉱山 

模式標本:国立科学博物館 (NSM M-41299) 

原記載:浜根大輔 (東京大学)・大越悠数 (愛媛大学)・皆川鉄雄 (愛媛大学) 

  • Nishio-Hamane, D., Ogoshi, Y. & Minakawa, T. (2012) Miyahisaite, (Sr,Ca)2Ba3(PO4)3F, a new mineral of the hedyphane group in the apatite supergroup from the Shimoharai mine, Oita Prefecture, Japan. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 107, 121-126. https://doi.org/10.2465/jmps.110901 (IMA第一文献) 

大分県佐伯市 下払鉱山;模式地 (Shimoharai mine, Saiki, Oita Prefecture; Type locality).FOV ~1.6 mm.

 切断研磨片.宮久石は写真中央の白色斑点部分に,フッ素燐灰石を密接に伴って含まれている.


文献

  1. 松尾源一郎 (1984) 宮久道年 (三千年) 先生を偲ぶ.京都地学会会誌,38,74-82.
  2. Pasero, M., Kampf, A.R., Ferraris, C., Pekov, I.V., Rakovan, J. & White, T.J. (2010) Nomenclature of the apatite supergroup minerals. European Journal of Mineralogy, 22, 163-179. https://doi.org/10.1127/0935-1221/2010/0022-2022
  3. 浜根大輔 (2015) 新鉱物・宮久石の誕生について.岩石鉱物科学,44,57-59.https://doi.org/10.2465/gkk.141215b

Rare minerals Research, Kyoto

大西政之 (おおにしまさゆき) 大阪府生まれ,京都市在住,金属メーカー勤務. 鉱物を集めたり,調べたりしています. 興味のある分野は鉱物科学 (とくに記載鉱物学) で,希産鉱物の物理的化学的性質・生成条件などの解明を目指しています. 古典的な鉱物標本にも関心があります.